【2025年度スタートにあたり教室のご挨拶】

当教室(駐車可能です)ではチェンバロやフォルテピアノ、ヴァージナル、2台のクラヴィコード、ショパン所有と同型の1841年製プレイエルピアノやドビュッシー時代のエラール社製1890年頃のピアノなど19世紀のアンティークピアノの試奏体験会も随時開いております。

また、ピアノの先生を対象にバロック古典派作品の新鮮なアプローチやアイデア提供、疑問点解決などフォルテピアノやチェンバロ、クラヴィコードを使用した奏法から現代ピアノへの役立てなどの単発レッスンも日程を調整した上で随時やっております。お気軽にお声掛けください。私自身、クラヴィコードによってバッハの運指や手の使い方など今までと大きく変化しました。また、エラールのピアノでバッハやモーツァルトを弾いてみるとチェンバロやクラヴィコードで弾くのとはまた全く別種の新しい発見があります。

近年はチェンバロ以上にクラヴィコードに惹かれる方も増えており、お教室が近くにないとのことで東北や関西から遠方から新幹線でいらしてくださることもあるのですが、もっと地元川口周辺の方々にも作品と楽器に親しんでもらいたいと思っております。

ピアノの先生に向けてのレッスン内容として、「チェンバロではこう弾きます」「装飾音はこの音からで…」というだけの表面的な押し付けは全く無意味と思っております。

バッハはなぜそこに休符を書き、この下降(上行)音形は何を表しているのか、「この音型はどんな意味が込められているのか」実際には書かれていないけれどそこに確かに存在している「意図され隠された和音」を見つけ出し、「バッハはこう書いているけど当時の平均的な作曲家ならほとんどがこう書くかも」など実例箇所をどんどん発見したりと別のアプローチの可能性をアドバイスしたいと思っております。

また、新たな曲を発掘したいタイプの方には知られざる作曲家だけれどもこんなに素敵な曲、ピアノで弾いても子供たちが心踊るような魅力ある逸品をご紹介します。既存の「バロックピアノ曲集」などには載っていないものばかりです。

最初にいらっしゃる方には「マリー・アントワネットにチェンバロを教えた作曲家」の素敵な曲を弾いて聴かせ、譜面を差し上げています。

私は歴史好きでもあるので曲の同時代に世界で起こっていた事物、背景などと気象的側面も絡めてわかりやすく解説し面白い内容を心がけています。音楽は作曲家の遺したメッセージであると同時に、当時の美意識、文化の全てを識ることでもあり凝縮したものだからです。

最後にHPからではありますがバッハに縁ある作曲家の演奏動画をどうぞ。
見つけにくいところ(コラム欄の「ジャケ・ド・ラ・ゲールの誕生日に寄せて」の記事の一番下)にあるため…

マルシャン(1669〜1732)というバッハより16歳歳上のフランスバロックの作曲家の組曲です。「1717年頃に貴族の邸宅でバッハとチェンバロで音楽対決をした」という音楽史の有名なエピソードで知られる人です。もしかしたらこの曲もその「対決」でマルシャン自身が弾いたものかも知れません。

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「バッハもその質の高さに敬意を抱き折にふれ弟子達に自らこの組曲を弾いて聴かせた」というバッハの妻アンナの記録がのこされています。

ちなみにジャケ・ド・ラ・ゲールはフランス音楽史上、オペラを書いた最初の女性です。(今年、生誕360年です。)
これは1687年、彼女が22歳でルイ14世に献呈したクラヴサン曲集からイ短調のプレリュードとシャコンヌです。17世紀の調律法によるため、かなり異質な響きになっておりますがこちらもぜひ聴いてみて下さい。

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