~使用楽器~
2020年に教室楽器の一員となったオッタヴィーノ(ottavino)と呼ばれる、いわば世界最小のチェンバロです。ケースにいれてどこへでも持ち運びできます。
その名前のとおり、通常よりオクターブ高い音が出ます。ルネサンス期のリュートや朗唱のような効果を狙い、ダンパーを敢えて外し、たくさんの鈴を振るかのような古色蒼然とした余韻が残るようにしています。ルネサンス期に登場し18世紀まで、ヨーロッパ中で作られ重宝されました。一番左の低音のミ・ファ♯・ソ♯をそれぞれド・レ・ミと調律することによって(ショート・オクターブ方式)4オクターブの音域が得られ、意外と様々な曲が演奏できます。
時々、「おもちゃのピアノ」のようなイメージ(それと同じような大きさなので)で「おもちゃのチェンバロ?」と誤解する方がいますがそれは大きな間違い。とかく、指のテクニックのみに頼って弾きがちな鍵盤へのタッチを違う視点で根本から向き直させて考えさせてくれます。
極限までの小型さがおのずとそのように導いてくれる、それが大型チェンバロなどの「代用品」には決してなりえないオッタヴィーノだけの最大の強みです。